泳ぐホタテを支えるもの

2012年12月20日

当店のホームページの「ヤマキイチ商店のこだわり」にも記載がありますが、岩手のホタテの浜値は実は日本一なんです!

ですが、「岩手産ホタテは浜値日本一!」ということは、意外と知られていません。
その理由はどこにあるのでしょうか?

それは単純に、「市場に出回っている岩手産ホタテの絶対的な量が少ない」ということだと思います。
スーパーに並んでいるホタテの原産地を見ていただきたいのですが、「青森産」や「北海道産」がほとんどです。

水揚げ量に関していえば他県には岩手のホタテの水揚げ量は及びません。
その代わり、浜値に関して言えば岩手が日本一です。まさに「量より質」です。

それでは岩手産のホタテの質が高いと評価されているポイントはどこにあるのでしょうか?

それは、ホタテの歩留まり(ぶどまり 貝殻に対する身の割合のこと)が一番良いとされる2年物のホタテを水揚げしているからです。
歩留まりが悪くなると、単純に言えば貝殻の割りに身が大きくないホタテになってしまうということです。なおかつ、2年物であっても大きいホタテを水揚げできるのは岩手だけです。つまり、「最も歩留まりがいい2年物のホタテ」で、なおかつ「2年で一枚一枚が大きいホタテを作ることができる」、そのポイントが岩手のホタテの浜値が高い理由であり、一番の強みであると考えられます。

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ふっくらした岩手の2年物のホタテです。

岩手産ホタテの象徴である、最高品質のホタテを創りだしている象徴的存在だったのが、先日facebookでご紹介させていただいた吉里吉里の漁師さん達です。

吉里吉里も震災で大きな被害を受けました。ホタテを育てて下さる漁師さんは震災前18人いましたが、今は4人です。この漁師さんたちは本当に信頼できる職人漁師さんです。

当店が震災前に日本一の浜値をつけさせて頂いたのがこの吉里吉里なんです。

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水揚げ直後のホタテには、しうり貝など、様々な付着物が付いています。
それを一つ一つ丁寧に取り除いています。

先日、震災後初めて吉里吉里でホタテの水揚げが再開しました。本格的な水揚げの前に一度サンプルを取りに行ってきました。ホタテのサイズは震災前より若干小さめですが、とても大きな一歩です。

今後も岩手のホタテが他県に負けないためには、吉里吉里の漁師さんたちのように、岩手のホタテらしさを忘れないことだと思います。他県のホタテと比較して、岩手のホタテの優れている点を大切にすること、そして誇りを持つことだと思います。

当店としては、その素晴らしいホタテをきちんとした適正価格で仕入れること、そしてそのホタテを一枚一枚、妥協することなく「泳ぐホタテ」として出荷できるホタテのみを選別し、お客様に心を込めてお届けすることが大切だと思っています。

今年7月より、岩手のホタテの水揚げが再開され、それと同時に泳ぐホタテの出荷も再開させていただきました。泳ぐホタテは、まだすべてのサイズが出揃っていませんが、吉里吉里の水揚げ再開は、本当に待ちに待った朗報でした。

すべてのサイズのホタテが出揃うまでは、もうしばらく時間がかかると思いますが、確実に一歩一歩前に進んでいます。これからも決して焦らず、一歩一歩進んで行きたいと思います。

焦らず、2年の歳月の中で試行錯誤をしながら素晴らしいホタテを育てる。何より「量より質」にこだわるのが岩手のホタテなのですから!

※当店の看板商品「泳ぐホタテ商品一覧」です
http://www.yamakiichi.com/SHOP/357394/list.html

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