三陸に伝わる、お食い初めとあわびの風習

三陸に伝わる、お食い初めとあわびの風習

——海とともに生きてきた土地の、ささやかな祈り——

お食い初めは、生後100日前後に行われる、日本の伝統的な通過儀礼のひとつです。
「一生、食べ物に困りませんように」
「歯が丈夫に育ちますように」
そんな願いを込めて、赤ちゃんに初めて食事の“まね”をさせる、大切な節目の日です。

三陸の沿岸の一部地域では、
このお食い初めにあわびを使う風習が残っています。

硬く丈夫な殻を持ち、岩にしっかりと張り付いて生きるあわびは、
そうした力強い姿から、
「丈夫に育つように」
「粘り強く、たくましく育ちますように」
という願いを重ねて用いられることがあります。

特に、あわびは、祝い事の席に用いられてきた、特別な存在ですから
お食い初めという儀式に用いられるのも自然なことかもしれません。

今回は、ヤマキイチ商店のアワビと一緒に、
お子さまのお食い初めの大切な一日を迎えていただきました。

お食い初めセットの御膳に、蒸しあわびを添え、
一部の食材はホタテに替えて、三陸らしい祝い膳に整えています。

主役は、もちろんまだ食べることのできない赤ちゃん。
大人が箸を取り、口元にそっと運ぶ“食べるまね”の所作には、
これからの人生への願いが、静かに込められているように感じられました。

地域に残る風習は、
決して特別な行事として切り離されたものではなく、
暮らしの延長線上に、自然と根づいてきたもの。

三陸の海の恵みが、こうして暮らしの節目に寄り添えたことを、
私たち自身も、心に残る一日でした。

これからも、日々の暮らしのそばで、
三陸の季節の恵みや文化を感じていただけたらうれしいです。

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