本物の海の幸を三陸釜石からお届け|泳ぐホタテのヤマキイチ
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あわびもホタテも、
目指すのは1番!

妻の幸子さん

■あわび漁は、幸子さんと2人三脚で。

あわび漁は、妻の幸子さんと勝信さんが1隻の船に乗り、二人三脚で浜へ出るそうです。
船を漕ぐのは幸子さん。次の場所へ先導するという舵取りは、頭を使う大事な役目だそうです。
「6:4くらいで、獲る人の腕と漕ぐ人の駆け引きだ」
と熟練の漁師らしくこだわりをのぞかせる勝信さんのかたわらで、
「私は怒られにいくの。」と肩をすくめる幸子さん。
「”海の底を見ろ、そこにあるぞ”って言われてもわかんないんだもの。女性には駆け引きなんて難しいのよ・・・」とおっしゃる言葉に、厳しさが伺えます。

■ホタテの養殖:水揚げ量の差は、一つ一つの細かな気遣い

ホタテ

久保さんは、ホタテもいいものを造ってらっしゃいます。
ホタテを吊るす量は全員一緒なのに、久保さんのところは最終的に出荷量が多いのです。

倉庫の中は非常に美しく環境整備されており、スムーズに仕事をするため準備に余念がない様子が一目でわかります。その中に積まれていたピカピカの青い網を取り出し、見せていただきました。

この網は、ホタテの稚貝を沖に沈めて育てるために使う網です。津波前から使われている網ですが、新品のようにきれいで驚きました。人の手をかけて丁寧に洗浄したあと、独自の方法で畳みます。ほかの方が1ヶ月かかるところを、2ヶ月かかるのだそうです。

ネット

勝信さん:
「例えばこのネットも理屈があってね。ここ、ちゃんとマスになってるでしょ。」

幸子さん:
「網の口をそろえるだけという人もいるけど、うちはこうして四隅を全部あつめてきて形を作るように畳むの。そうすると、稚貝を入れる時に偏ったり引っ掛かかったりしないから、稚貝が挟まれて死んだりしにくくなるのよ。だから、時間をかけてでもこうしてたたむの。
早さだけではないの。…お父さんの性格もありますけど(笑)」

これが稚貝の生存率を高める方法だそうです。大変な手がかかっていますが、早さを優先するよりも段取りがすべて。どうしたらもっと良くなるのかを考え、手をかけて準備を整えることで段取りに差が出ることがわかります。

幸子さん:
「ほかにも、海まで持って行くときには風にさらさないように持ち運ぶとか。ホタテの身になってちょっとした気配りね。」

勝信さん:
「一つ一つ手を抜かないことだな。それが最後、水揚げの量につながってくるから。」

とても根気のいる作業だと思いますが、こうした細かなところまで手を抜かず、妥協しないからこそ、出荷量が多いのも納得です。

今は、沖の仕事はほとんど息子の勝幸さんに任せ、水揚げだけ二人で行かれているそうですが、丘にいても沖にいてもホタテの状況が見えるそうです。
養殖の技術は、1年や2年で覚えられるものではなく、年数をかけてやっと一人前になるものだとか。

勝信さん:
「今は俺は丘仕事。だども、沖へ出なくてもだいたいわかるのよね。(作業のことは)ぜんぶ頭に入ってるから。今日どの辺で仕事してるとか、あそこの貝は掃除しにきてもいいとか。
いっぱいゴミがついてれば出荷できないから貝殻を掃除するんだけど、「この筏はやんねくていいから、別の筏を掃除せぇ」とかアドバイスはする。他の人から見たら、沖の仕事をしないで楽しているように見えるみたいだけども、丘には丘の仕事があるのよ。」

幸子さん:
「息子の分と二人分の準備をしないといけないもんね。他の人の息子が丘で稼ぐくらいの給料は稼がないとダメだと思ってる。体だけ楽になったんではダメだからね。」

明日の波はわからない。だから『今日できることを』

――漁師に対する意気込みが伝わってきますね。
時には「こんなものでいいか」と妥協することはないのでしょうか。

勝信さん:
今年よりも来年は、それ以上のものを獲りたい。だから妥協はしない。
漁師っていうものはそうだ。今は水揚げが不安定だからよけいに。

幸子さん:
全然休まないもんね。みんなはタバコとか飲み物をのんでいても、そういうのに全然手をつけない人。鏡(ウニ漁の時に海の底をのぞく道具)だけ見てるんでしょうね。

勝信さん:
そうだな、休憩したことはないなぁ。
帰ってくる時にたまに喉が渇いて飲むこともあるけど、獲ってる最中は全然手をつけない。

秀綱店長:
よく、幸子さんがおっしゃいますね。
『明日がない人』だからって。

幸子さん:
そうそう、明日がない人だから。『今日できることは今日のうちに』という人。
明日はどうなるかわからない。波が高かったり雨が降ったり。そうするとできない仕事があるからって。

勝信さん:
海の仕事は、天然物でも養殖でも、今獲っておかないと難しいこともあるの。
今の状態が何十年も続くものでもないし、絶対に津波とかいろいろあるから「蓄えはしとかないといけねぇぞ」って、俺はいつも言ってる。
これまでも、いい時と悪い時と波があったからね。

――漁師は『ハイリスク、ハイリターンの世界』と言われる中で、
普段から質素というか無駄遣いされないのも、だからでしょうか?

勝信さん:
うん、無駄遣いはしない。だども必要なものにはすごいよ、使う金額が(笑)
相談せずに決めたら買う(笑)

幸子さん:
「こういうふうにしたら仕事がはかどるんじゃないか」と思ったものは、相談しないで自分で支度する人だよね(笑)仕事に使うものだから文句なし!
1年でなくなるものではないし、仕事に使うものだから。
全然無駄使いしない人だな。

秀綱店長:
勝信さんはホタテの機械化を導入したのも早かったですし、よそに行って、先頭をたって聞いてくるということを積極的にされていますよね。

勝信さん:
よそは早くに機械化してるよ。うちみたいに家族でやってるところは尚更、機械化するところは機械化しないと。体がついていかないからね。

――勝信さんは、この先もずっと漁師を続けていかれますか?

勝信さん:
んだね。体が動くあいだは、現役でいたいね。

でも、もう体はガタガタだ。
あのね、潮が引いた時船に乗ったり上がったりするのが大変。
満潮の時はいいけど、干潮の時はこんなにかと思うくらいよ(笑)

今、この浜では最年長で72~73歳かな。
それ以上の人も昔はいたけど75を過ぎるとやっぱり無理だろうね、体力がね。

また(海が)いい時がくるといいけどね。

* P3.『家族で漁師を営むということ』へ

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