四川料理の老舗、重慶飯店様のコース料理にご利用いただいております。
麻布迎賓館の店舗では、一年を通して泳ぐホタテのコースを予約メニューでご利用いただいております。パーティーなど特別な機会にご堪能いただけます。支配人の亀山様(右)と料理長の朱様(左)に話をお聞きしました〈取材日:2017年9月〉
取材にご協力いただいたお店
重慶飯店様インタビュー(料理長様)
東京都港区西麻布3丁目2番34号 西麻布ヒルズ1階 https://www.jukeihanten.com
重慶飯店様は四川料理の老舗として1959年に創業された中華料理店です。本店は横浜中華街にあり、そのほかに横浜、東京(麻布)、千葉、名古屋、岡山などに支店を構えており、本場の四川料理を堪能できます。通常のランチ&ディナーの他にも、慶弔やビジネスシーンなど様々な会で利用しやすく、個室も用意されています。
※泳ぐホタテは麻布賓館のみでパーティーメニューとしてご利用いただいております。定番メニューではありませんのでお店でお食事を希望の場合は、事前に店舗へご確認をお願いします。
泳ぐホタテは新鮮で甘みがすごい。
季節にあわせて料理法を変えるのが大事。
新鮮さが特徴のホタテは秋が一番美味しい。
毎回少しアクセントを変えながら、より美味しく。
――料理長から見て、ホタテの食材はいかがでしょう?
君ヶ洞:いつも丁寧に料理していただいてありがとうございます。料理長は普段様々な食材をみていると思うのですが、泳ぐホタテの特徴的なものはありますか?
料理長:
新鮮さがまず特徴ですね。味も甘みがすごい。
四川料理は例えばいま蒸し物ですけど、辛味にしても美味しい、甘みもすごいです。
ホタテは
秋が一番美味しい
ですね。冬は寒いから甘みが薄く感じます。
殻の厚みも違うでしょう、冬は薄いです。
同じ料理でもいつもちょっとだけアクセントを変えています。
味を変えたり野菜を変えたり。美味しいホタテですから、よりおいしくなるように工夫しています。
君ヶ洞:ホタテの中にニンニクベースの蒸しホタテ、あれも毎回少し味ちがいますよね?
料理長:はい、1回目はニンニクが違いました。今はあえて青森産と中国産の2種類のニンニクを使っています。中国と青森のミックスですごく甘味が出て美味しいですよ。蒸すときに一度開けて酸味を減らして、再度蒸すときに甘みを乗せるんです。
2種類のニンニクを使った「泳ぐホタテのガーリック蒸し」。青森産ニンニクは甘みが強いため、中国産の辛みのあるニンニクとミックスすることで甘味と辛味を調節。
すりつぶしたエビの白身をのせて170℃の油で3分あげた「泳ぐホタテのチリソース」。酸味とピリ辛のソースが絶妙。
君ヶ洞:そうなんですね。あと、最近私たちの仲間内で評判がよくて、私も大好きなんですがホタテのチリソース、あれもすごくおいしいですね。
料理長:ホタテだと歯ごたえ欲しいですよね。エビの歯ごたえはコリコリですけど
普通のホタテは柔らかいものが多い。食感が足りない感じになりがちです。でも、泳ぐホタテだと食感がすごい。歯ごたえがいい。
皆さんに美味しいと言っていただけてうれしいです、ありがとうございます。
君ヶ洞:どの料理もすごく評判がよくて、斬新ですね。
こういうのは食材と対峙してそこからインスピレーションを得るのでしょうか?
料理長:そうですね。その時の季節を考えるのが一番大事ですね。
秋と冬でちょっと違います。春も違います。春は天ぷらとかの方がいい。
新鮮なホタテだから、メニューを考えるのは楽しみ。
――食材と対応されていつも料理をつくってるんですね。凄いですね。
バリエーションが多い料理の中で、ホタテのメニューを考えるのは大変だろうと思うのですが。
料理長:大体4品くらいですね。考えるのは大変だけど、楽しみです。泳ぐホタテは甘みが違う。新鮮だから。
活きてるのをすぐ調理して出すのでお客さんの反応も違います。
お客さんも皆さん甘いと言います。
食感も、色も違う。とても白い。活きてる感じです。
君ヶ洞:そう言っていただいて嬉しいです。
私たちとしても大事なパーティーの時に使わせてもらっているので、料理長のお人柄も含めて料理として伝わってくるのかなという風に思っていました。いつも本当に美味しく作っていただいているので感謝しかないです。
料理長:ありがとうございます。
君ヶ洞:私たちも自信を持って食材を届けているのですが、最後に本当のプロ、火加減とかも本当にすごいなと思って。火を入れすぎると当たり前だけど固くなってしまいますし、少ないと生っぽくなってしまいますよね。
料理長:半分生のホタテを今前菜でも使っていますけど、一回茹でているんです。半分生だとプリプリっていう感じが出ますよね。
君ヶ洞:あれがプロですよね。
私もホタテを最大限に美味しく提供するポイントは、そのプリプリの食感を残すことだと思っています。今までは刺身が一番と思っていましたが、こちらに来てそう思うようになりました。
活ホタテをさばいて手際よく調理する。素材を丁寧にあつかう姿が印象的でした。
夏から秋にかけてのホタテは貝柱が大きいのですが、それにも増して油で揚げた貝柱が小さくならない絶妙な火加減はさすがです。
料理のプロと、ホタテを管理するプロ。
それぞれの役割を発揮して最高の料理に。
――やはり、季節が一番大事なのですね?
料理長:
季節が一番大切。料理のやり方も火加減もまったく違います。
春と秋では全然違いますし、春と冬は近い。春は一番難しいんですよ。身も小さいし。秋のホタテは美味しいし綺麗ですね。
君ヶ洞:すごいですね、食材をよく見られてますね。
料理長:春は卵の部分大きいですよね。
君ヶ洞:今後もしも、またパーティがあったら、逆に春にあの部分を美味しく食べるにはどうしたらよいでしょう。
料理長:2回手間をかける。1回蒸したあとに揚げると食感が良いよ。5分くらいかな、もう一回小麦粉で揚げて。ちょっと実験してみようかな。
唐揚げも美味しいと思います。中身は甘いと思います。(卵が)赤と白の2種類あるから。
他にもいろいろあるのですよ、塩で覆うやり方とか。中華でもやりますが時間がかかる。けど美味しいよ。塩と卵白を一緒に混ぜて調理すると美味しいですよ。
ちょっと大変かもしれないけど、この方法は和食が多いかもしれない。
中華料理は海鮮は少ないんです。肉が多いから。ホタテは和食が多い。
中華料理だったら炒めと蒸し、フライですね。やっぱり新鮮なものは蒸しがいい。
前菜では半生で甘みをだして、辛味に花山椒のさっぱりした感じがいいね。
君ヶ洞:いま料理長のお話を聞いていると、やはり最後の所はプロ中のプロに任せることで最高の状態で食することが出来るんだなと思います。それぞれの役割があるなと。
お話を聞いてると、料理の世界ではもう百戦錬磨ですよね。 プロの力を最大限に発揮していただくために、私たちは私たちで今の立場というか、ホタテを管理にますます注力していくということが大事だなと感じます。
料理長:今ホタテチリソースのエビ白身がメニューにありますけどこれが人気です。美味しいですので、食べていってください。